top of page
​株主提案書

​​

北海道小樽市色内1丁目8番6号

北海道中央バス株式会社

代表取締役 二階堂 恭仁 殿

2026年4月3日

当社株主 [プライバシー情報につき住所省略] 

     成宮 一雄

私 成宮一雄(以下、「提案株主」といいます。)は、北海道中央バス株式会社(以下、「当社」といいます。)の議決権300個以上を6カ月前から引き続き保有しています。提案株主は、会社法第303条、同第305条及び同325条の4第4項に基づき、本書をもって次のとおり請求します。

 

1.後記「第一」に記載する議題を、当社第83回定時株主総会の目的とすること。

2.後記「第二」に記載する議案の要領(下記の提案する議題、提案の内容及び提案の理由の全てを含む。)の全文について電子提供措置をとること。

 

【1】 提案する議題

ガバナンス検証委員会の設立に係る定款変更の件

 

【2】 提案の内容

現行の定款に以下の条文を新設する。

 

第4章 取締役及び取締役会

(ガバナンス検証委員会)

第30条の2 取締役会は、当会社のガバナンス体制の最適化のための施策の検討を行うガバナンス検証委員会(以下この条において「委員会」という。)を取締役会の下に設置する。

2. 委員会は、当会社の社外取締役全員により構成される。

3. 委員会は、自己の裁量で外部アドバイザーを選任することができ、当該外部アドバイザーは、当会社取締役会から独立した立場で、次項に定める委員会の活動に関する助言を委員会に与える。

4. 委員会は、取締役会から独立した観点から、当会社のガバナンス体制の最適化、公正な株主自治の実現ひいては企業価値及び株主価値の向上を図ることを目的として、次の各号に定める活動を行う。  

(1)当社の大株主である中央バス総業株式会社と当会社とが、事実上の相互支配状況にあるにもかかわらず、会社法第308条第1項の趣旨に反して中央バス総業株式会社が当社の議決権を行使することを認めることの当否、並びに、かかる資本関係の下で当会社のガバナンスが健全に機能しているかの検証 

(2)当会社の経営責任の所在の明確化、及びコーポレートガバナンス改善に関する施策(これらを総称して以下「ガバナンス改善策」という。)についての当会社株主(ただし、中央バス総業株式会社及び同社の関係者をのぞく)からの意見聴取  

(3)上記(1)及び(2)により収集した情報を踏まえたガバナンス改善策の検討及びガバナンス改善策の取締役会への提示(なお、ガバナンス改善策としては、当社の上場を維持することを前提として、資本構成の変更のための施策の実施、当社取締役会への監視の強化その他の当社のガバナンス体制の最適化のための方策を優先する。)

(4)取締役会に提示するガバナンス改善策及びこれに関して取締役会に提供した参考資料等に関する株主及びその他のステークホルダーへの説明

5. 委員会の開催は四半期に1回以上とし、委員であれば、誰でも招集することができる。委員会の決議は、議決に加わることができる委員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。その他、委員会の招集及び開催に関する手続の詳細、外部アドバイザーの選解任の方法、任期その他の事項は、委員会において定める「ガバナンス検証委員会規則」に従う。

6. 委員及び外部アドバイザーの報酬を含む委員会の活動に要する費用は、当会社の負担とする。

 

【3】 提案の理由

 

株主提案の趣旨

北海道中央バス株式会社(以下「中央バス」という。)と、中央バス総業株式会社(以下「バス総業」という。)とは、それぞれが相手方を支配することが可能な株式及び議決権を保有しており、結果、ガバナンスおよび公平な株主自治が機能しない状況に陥っています。

 

本株主提案の目的は、かかる歪んだ資本構造を解消し、中央バス株主共通の利益を向上させるとともに、従業員の待遇改善を後押しし、地域および取引先との共存共栄を図り、ひいては北海道全体の地方創生に寄与することにあります。

 

提案の背景及び理由

現在、バス総業は、中央バスの議決権の40.06%(間接保有を含む。)を保有しています。逆に、中央バスは、バス総業の発行済株式の24.37%(ただし、中央バスの緊密な者又は同意している者が別途49.58%を保有。以下詳述)を保有しています。

 

会社法第308条第1項(特に括弧書部分)及び会社法施行規則67条の規定により、株式会社(本件でいう中央バス)が株主(本件でいうバス総業)の議決権の総数の「25%」以上有する場合、その株主は株式会社に対して保有する議決権(本件でいうと、バス総業が保有する中央バス株式に対する約40%の議決権)を行使することができません(いわゆる「相互保有株式の議決権行使の制限」)。

 

この相互保有株式の議決権行使の制限の趣旨は、株式会社の経営陣(本件でいう中央バスの経営陣)が、株主(バス総業)への議決権を大量に支配することを利用して、当該株主の議決権を利用して経営陣が株式会社の利益や株主全体の利益を害する事態を防ぐことにあります。

 

これは、いわゆる自己株式について、それを保有する株式会社の経営陣が議決権行使をしようとしても認められないことと同様の趣旨です。

 

この点、仮に中央バスがバス総業の議決権の総数の「25%」以上を保有していれば、上記の会社法の規定に基づき、バス総業の保有する中央バス株式約40%の議決権行使は認められません。これに対して、中央バスが保有するバス総業の議決権は24.37%と、25%の寸前の議決権に抑えられており、これは上記の会社法規定を形式上遵守するための方策と考えられます。

 

しかし、中央バスは、適時開示において、中央バスの「緊密な者又は同意している者」が、バス総業の議決権の49.58%を所有している旨を公表しています。当該適時開示によれば、この49.58%は、中央バスが直接保有する24.37%とは別途のものとの理解です。中央バス自身に加え、中央バスの緊密者・同意者によるバス総業株のこうした圧倒的な保有数が、私が「中央バスによるバス総業の総議決権の実質保有比率は25%を超えている」と主張する理由のひとつです。

 

加えて、公開情報を辿るだけでも、中央バスの役員に新たに就任した者が、間もなくバス総業においても役員に就任し、当該新任のバス総業役員がバス総業の株式の一部を取得する事例が見られます。また、中央バスの役員がその役職を辞任した際に、それまで有していた当該バス総業での地位と株式を譲渡している(あるいは譲渡させられている)形跡が、一部で認められます。

 

たとえば、二階堂恭仁現社長は、2016年3月時点で中央バスの取締役に就任していますが、2年後の2018年3月時点でバス総業の役員にも就任するとともに、バス総業の株式を1,900株取得しています。他方で、牧野和夫氏は、2016年3月時点で中央バスとバス総業の役員を兼務しつつ、4,000株のバス総業株を保有していましたが、2018年1月22日付で中央バスでの役職を辞任した途端、バス総業での役職を辞するとともに、バス総業株式を手放しています。(そして、その4,000株は、一部を当時の平尾一彌中央バス代表取締役を経由して、そのほとんどが二階堂現社長に譲渡されていると認められます)。

 

また、中央バスの現任役員計13名のうち約半数に及ぶ6名(現任取締役10名のうち半数に及ぶ5名)が、バス総業の株主です。2025年3月時点において、平尾一彌取締役が4,500株、大森正昭常勤監査役が1,000株、二階堂恭仁代表取締役が3,600株、泉山利彦取締役が2,500株、杉江俊太郎取締役が(札樽ヨコハマタイヤ株式会社名義で)3,500株、加藤幸嗣取締役が(昭和総業系列の協立産業化株式会社名義で)3,500株をそれぞれ保有しています。

 

これらの事実関係を見る限り、中央バスが、以下のような中央バスの経営陣の自らの地位を保身するための慣行をグループとして組織的に行っていることが窺えます。

①バス総業が中央バスに対して有する議決権が失わないよう、中央バスがバス総業に対して有する議決権を形式的に25%直前にとどめる。

②一方、中央バス(およびその経営陣)のバス総業に対する影響力を最大化するよう、その緊密者及び同意者にバス総業の株式を持たせることにより(あたかも「名義貸し」のような保有により)、バス総業の支配的な株式を実質的に保有する。

③②の一環として、中央バスとバス総業の役員構成を連動させ、さらに、中央バスの役員の選任・辞任と、バス総業の株式の保有も連動させている。

④上記により、バス総業が中央バスの総議決権の約40%を維持しつつ、中央バス(およびその経営陣)が、バス総業による中央バスに対する議決権行使を支配する。

 

これは、会社法の根本原則である「株主が会社を支配する」という権限分配秩序を崩壊せしめる状況であり、まさに会社法第308条第1項(特に括弧書部分)が禁じる相互保有株式による循環的・閉鎖的支配構造です。

 

経営環境が目まぐるしく変化し続ける昨今、バス業界・観光業界といえども例外ではありません。その最中、こうしたループ支配構造の結果、経営陣や経営戦略の新陳代謝が十分に機能していないにもかかわらず、役員変更という形で責任を取らされない、緊張感ゼロの状態が放置されています。

 

中央バスは、現在、深刻な運転手不足により路線網の維持が難航しております。中央バスは、2025年12月から札幌圏を中心に平日228便、日祝175便の減便を実施し、さらに2026年4月には平日173便の減便および複数路線の廃止を予定するなど、全体の約4%に及ぶダイヤ縮小を余儀なくされました。この廃止・減便は地域住民の足を脅かしており、他社のように外国人運転手の採用や待遇改善を急務とする一方で、抜本的な問題解消にはなお時間を要する状況にあります。観光事業においても、ニセコアンヌプリ国際スキー場などの世界的に恵まれた立地を保有しながら、同じニセコエリアの同業他社と比較したとき、インバウンド需要の本格回復期に集客施策および単価向上策の強化が後手に回った可能性が否めません。加えて、直近株価が上昇した今でも、PBRは0.60倍(2026年3月31日終値ベース)近辺で推移しており、資本市場からも十分な評価を得られていません。

 

私は、ポテンシャル溢れる中央バスの現在の窮状の根本原因は、バス総業との閉鎖的なループ支配構造、すなわち経営陣が株主総会の決議を実質的に意のままにできるガバナンス不全にあると考えます。私は、この歪な資本構造が解消され、一般株主による監視がきちんとなされるような緊張感のある経営体制を取り戻せば、中央バスのポテンシャルは最大化され、中央バスひいては北海道地域の発展が実現されるものと確信しています。

 

なお、私はその方法について、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)や非公開化などの安易な方法を検討頂きたいと考えているわけではありません

ガバナンス検証委員会において、中央バスの上場維持を前提として、資本構成の変更のための施策やガバナンス体制の最適化のための施策を検討頂きたいと強く望んでいます。たとえばの一案として、中央バスがバス総業による保有株式を買戻し、いわゆる金庫株として保有した上で、企業価値の向上を図った段階で当該株式を売出しすることにより、有休資産や老朽設備の再開発に必要な資金を充当することが可能であると考えます。

 

私は中央バスの将来性に強い信頼を寄せており、可能な限り株式を長期保有する所存でございます。また、私と同様に中央バスのポテンシャルを信じ、ガバナンスが正常化するのであれば長期保有を志向する投資家は少なくないものと認識しております。

 

昭和18年3月、道央地域のバス業者21社を統合してスタートした中央バスは、第二次世界大戦前後の物資の欠乏、人手の不足、資金の枯渇など、数々の難局に直面しました。そのなかで、地域住民の交通を担う公的使命の自覚のもと、路線の拡張、車両の増備、バスターミナルの増設に努め、今日の基盤を確立しています。いまや世界的に有名なニセコスキー場を切り開いたのも中央バスです。現在の中央バスは、こうした先人の血のにじむような努力と卓越した先見性によって築き上げられてきており、これまで中央バスを支えてこられてきたすべての創業家・経営者・従業員の皆様に最大限の敬意を表します。そして、あらためてその旺盛な開拓精神を呼び覚ますため、ここにガバナンス検証委員会の設置を株主提案いたします。

 

本提案の詳細な説明につきましては、https://www.believe-chuobus.comをご参照ください。

 

 

以上

このウェブサイトは、成宮一雄(以下、「提案株主」)独自の分析及び公開情報に基づき作成されています。このウェブサイトに掲載された情報及び資料は、提案株主が信頼できると判断した情報に基づき作成されておりますが、提案株主は、明示又は黙示を問わず、その正確性、有効性又は完全性を保証するものではなく、この情報を用いて行う判断の一切について責任を負うものではありません。

bottom of page