- May 28
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【5月28日付けで、北海道中央バス株主宛にお手紙をだしましたので、全文を掲載いたします。】
北海道中央バス 株主各位
ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
私は中央バスの個人株主、成宮一雄(なるみや・かずお)と申します。
突然のお手紙を差し上げる失礼をお許しください。この度は、折り入って直接お伝えしたい思いがあり、筆を取らせていただきました。
私は、令和8年6月の中央バスの定時株主総会におきまして、「定款変更」の株主提案をさせていただいております。株主還元や役員選任に関する提案ではございません。あくまでも、「定款への一条の追記のみ」を求めるものです。
その趣旨は、定款に「ガバナンス検証委員会」の設置を明記し、中央バスとその大株主である中央バス総業との資本関係について、社外取締役および外部の専門家を交えて、冷静に見直す機会を設けていただきたいというものでございます。
率直に申し上げますと、現在の中央バスには、少々守りに偏りすぎているように感じられる部分がございます。野心的で前向きな経営施策が、もう少し見たいと願う株主の一人として、切にそう思います。
たとえば、深刻化するバス運転手不足に対し、減便を重ねるばかりで、抜本的な解決に向けた具体的な方策が十分に見えてこない点。私の知る他県では、普通二種免許で運転可能なミニバンを活用し、観光客や交通弱者の足として地域を支える取り組みが既に実を上げています。
また、アンヌプリスキー場をはじめとするリゾート施設におきましても、ゴンドラの老朽化が深刻な状況にあると伺っております。海外の先進的なリゾートが設備を最新鋭へと刷新していく一方で、アンヌプリのように40年も使い続けられ、修理部品の確保すら難しいほど陳腐化が進んでいることは、安全面はもちろん、今後の可能性を考えても非常に残念でなりません。
さらに、私の周囲では「アンヌプリへの開発や協業を提案したいが、中央バスの経営陣の姿勢が閉鎖的で、門前払いされるため提案すらしなくなった」という声を、残念ながら何度も耳にしてまいりました。
こうした「守り一辺倒」の体質の根源は、現在の資本構造がもたらす緊張感の欠如にあるのではないか——私はそう考えています。中央バス総業が中央バスに対して40%の議決権を有し、事実上株主総会を支配する一方、中央バス側も、同意関係にある名義人らを通じて親会社であるバス総業の約44%の議決権を握る相互支配構造のもとでは、取締役に「いつか再任されなくなるかもしれない」という健全な緊張感が生まれにくいのではないでしょうか。
このお手紙をお届けしている株主様の中には、地元の金融機関様や上場会社様も多くいらっしゃいます。特にそのような公的・政策的なお立場にいらっしゃる株主様には、会社法第308条第1項(相互保有株式の議決権行使制限)の精神を十分にご留意いただき、中央バスに加えて、ご自身のステークホルダーに対する責任も踏まえて、議決権行使のご判断を慎重にお願い申し上げたいと存じます。
中央バスは、株式を上場し、北海道のバス事業を長く支え、世界的リゾートであるニセコにスキー場と広大な土地を保有する大切な「公器」であります。この公器には、守るだけでなく、その豊かな資産のポテンシャルを最大限に花開かせる「攻めの責務」があると、私は信じております。
中央バスとそこで働くすべての従業員のために、そして北海道と日本の未来のために、どうか私の定款変更提案にご賛同いただき、ご支援を賜れますよう、心よりお願い申し上げます。私といたしましては、本定款変更を通じて、中央バスが上場を維持した上で、より健全で緊張感のある経営体制を構築することを強く望んでおります。
最後に、1984年10月に刊行された中央バス社史の一節を引用させていただき、この手紙を締めくくりたいと思います。中央バスが、かつては、野心的で攻めの経営施策を有していたことを見て取れるかと思います。
「二セコアンスプリー国際スキー場、天狗山、茨戸園の三大観光施設については一応整備が終わっているが、これで万全というわけではなく、今後も地の利を生かし、行楽客のニーズに合わせて時代に即応した開発を進めていく方針である。
前述のようにわが社は借り入れ金ゼロの健全経営を誇っている。だが借金をしないばかりが能ではなく、借り入れをしてでも事業を拡大強化していく積極的な姿勢が時には必要となろう。中島秀雄社長は「厳しい経営環境の中では企業にとって『守り』の姿勢は時に後退に通ずる。いま中央バス企業グループに求められているのは積極的な『攻め』の姿勢だ」とグループ各社の奮起を求めている。
星霜四十年、創立当初からの在籍者はもう中島社長ただ一人になってしまった。しかしわが社の繁栄の基礎を築き上げた諸先輩の努力と功績は四十年の歴史の中に深く刻み込まれており、中央バスグループ社員はこれらの諸先輩が培ってきた融和協調の良き社風と伝統を守り、さらに大きな飛躍をめざしてたゆまぬ前進を続ける責務を負っているのである。」
出所:「北海道中央バス四十年史」。)
お忙しい中、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
令和8年5月吉日
成宮一雄
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